- 看護師にならない方がと言われる理由が分かる
- 現場ではどんなことが大変なのかが分かる
- 看護師にならない方がいい人の特徴が分かる
- 看護師にならなきゃよかったと後悔しないために意識すべきことが分かる
- 病院以外にどんな選択肢があるのかが分かる
「看護師にならない方がいい」
少しなりとも、そんな風に思ってしまっていれば要注意。
なぜ看護師にならない方がいいと言われてしまうのでしょうか?
代表的な7つの理由について、現場のリアルを交えてお伝えしていきます!
また、看護師にならない方がいい人の特徴についても、解説します。
読み終える頃には、あなたが看護師に向いているのかどうかがクリアになるはず。
悩んでいる今だからこそ、ぜひ最後まで読んでみてくださいね!
看護師にならない方がいいと言われる7つの理由
看護師にならない方がいいと言われるのは、なぜでしょうか?
代表的な理由が次の7つ。
- 仕事がキツイから
- 給料と仕事量が見合わない場合が多いから
- 人間関係が難しい状況になりやすいから
- 夜勤があるから
- 辞める人が多いから
- 優しい人が辞める環境になりやすいから
- 生命に関わるプレッシャーが大きいから
それぞれの理由について、詳しく見ていきましょう。
① 仕事がキツイから
看護師にならない方がいいと言われるまず最初の理由が仕事のキツさ。
看護師の仕事は、ただ忙しいだけではありません。
体力・精神力・責任感のすべてが試される仕事です。
日勤も夜勤も、業務は多岐にわたります。
患者さんのケアに加え、医師の指示を的確にこなし、記録や報告書も漏れなく処理しなければなりません。
バイタルチェック、検査の準備、点滴、配薬に加えて入浴介助まで重なることもあります。
そんな中でナースコールが鳴るため、患者さんからの要望にもその場で対応する必要もあります。
一つの判断ミスが患者の命に関わる可能性があるため、神経を張りつめた状態が続くのです。
また、交代制勤務によって、生活リズムの乱れも重なります。
休憩時間がまともに取れない日もあるほど。
看護師の仕事は「ただ忙しい」のではなく、キツイことが多いです。
それに耐えられず、途中で挫折してしまう人が多いのも事実です。
② 給料と仕事量が見合わない場合が多いから
「看護師は稼げる仕事」と思われがちです。
ですが、実際に働いている看護師の多くは、労働量の割に見合わないと感じています。
たしかに夜勤や休日出勤などに対する手当はあります。
その分、身体的・精神的な負担が大きいと言えます。
月に何度も夜勤に入り、休みの日も研修や勉強会が入ることも珍しくありません。
また、業務中は時間に追われ、患者さん一人ひとりに丁寧に対応したくても、現場の忙しさからそれが許されないこともしばしばです。
それでも仕事量は減ることがなく、限界ギリギリで働いている人もいます。
そうした状況で月給が手取り20万円台だったりすると、「これだけ働いてこの給料!?」と思ってしまうのも無理はありません。
給料面だけで判断して看護師を目指すと、現実とのギャップに驚く可能性があります。
大切なのは、あなたがその負担に耐えられるか、納得できる働き方ができるかという視点です。
③ 人間関係が難しい状況になりやすいから
看護師は人間関係の影響が非常に大きいです。
女性社会であるため、人間関係のトラブルが起こりやすいのも事実。
上下関係や先輩後輩の圧力、派閥争いなどが問題になることもあります。
好き嫌いで対応が変わったり、陰口を叩かれる場合もあります。
人間関係でも精神的なストレスが溜まりやすい環境です。
また、医師との関係が難しい状況になるケースも少なくありません。
気難しい医師とも上手に対応しなくてはいけません。
人間関係のストレスは目に見えづらい分、心をじわじわと追い込んでいくものです。
この状態が続くと、毎日の勤務が大きな負担に感じるようになることもあります。
看護師は人と関わるのが苦手、周囲の空気に敏感な人ほど、長く続けることが難しい職業かもしれません。
④ 夜勤があるから
病院で働く看護師の仕事に夜勤はつきものです。
それが「看護師にならない方がいい」と言われる理由の一つでもあります。
昼夜が逆転する生活が続くと、体内リズムが狂い、健康にも影響が出てきます。
中には、不眠・食欲不振・吐き気・ホルモンバランスの乱れから体調を崩してしまう人も少なくありません。
夜勤中は通常よりもスタッフの人数が少ないため、一人にかかる負担が大きくなります。
主な仕事内容としては、急変時の対応や患者さんの容態確認、ナースコール対応などです。
これらを全てこなす必要があり、気が抜けない状況が続きます。
また、仮眠するタイミングがあっても、熟睡はできません。
ナースコールや急変時のアラームですぐ起きなければならないからです。
夜勤による生活リズムの変化やストレスは、長期的に続くことで体にダメージを与えます。
夜勤が嫌で日勤のみの職場へ転職する人も少なくありません。
⑤ 辞める人が多いから
すぐに辞めてしまう人が多い…
そんな声が多く聞かれるのが、看護師という職業です。
事実として、看護師の離職率は他の職業と比べて高めで、特に新人看護師の1年以内の離職が多いことで知られています。
とはいえ、単に看護師を辞める人だけということではありません。
違う病院に転職するパターンも多くあります。
看護実習ではある程度サポートがありますが、現場では即戦力としての対応が求められます。
急変患者の対応、ミスを許されない投薬作業、他職種との連携など。
一瞬の判断が命に関わる場面も多く、想像を超える緊張感があります。
夜勤の負担や人間関係、子育てとの両立が難しいなどの理由で離職を選ぶ人も多いです。
辞めた人の仕事が現在働いている看護師にのしかかり、悪循環になってしまっている職場も珍しくありません。
⑥ 優しい人が辞める環境になりやすいから
看護師という仕事には、確かに人のためになりたいという思いで飛び込む人が多いです。
優しさや思いやりを持った人が集まりやすい職業である反面、その優しさが原因で心が折れてしまうケースもあります。
患者さんや家族に丁寧に接したい気持ちが強すぎると、自分の負担を後回しにしてしまいがちです。
抱えたストレスを誰にも相談できず、気づけば精神的に限界を迎えていた…
そんな事例も珍しくはありません。
優しい人ほど過剰に責任を感じ、消耗しやすくなります。
本来であればチームで支え合うべき場面でも、遠慮して一人で抱え込んでしまうことが原因で、離職を選ぶことになるのです。
優しくて思いやりのある人ほど辞めてしまう。
そんな現象が起こりやすい職場とも言えるからこそ、看護師にならない方がいいと言われることもあるのです。
⑦ 生命に関わるプレッシャーが大きいから
看護師という職業の中で、大きな負担となるのが生命に関わるプレッシャーです。
患者さんの命を守るという責任感は、他のどんな仕事にも代えがたい誇りがあります。
その分、精神的な重圧も計り知れません。
例えば、投与する薬剤の種類や量を間違えれば、患者の命に直結する重大なミスになります。
毎日行うルーチン業務であっても、常に注意力を求められ、ミスは許されません。
また、緊急時には即座の判断と的確な行動が必要であり、その判断に迷いがあると致命的な結果になることもあります。
そのため、どの業務にも常に強い緊張感を持って臨まなければならず、気が休まる時間がほとんどないのです。
さらに、患者さんが亡くなったときには、感情を押し殺して仕事を続けなければならないこともあります。
- もっと早く気づいていれば…
- 自分のケアは適切だったのか…
そんな自問自答に苦しむ看護師も少なくありません。
責任の重さに日々さらされることで、バーンアウト(燃え尽き症候群)に陥るリスクが高い職業とも言われています。
常に高いレベルの精神力が求められる仕事でもあるのです。
看護師にならない方がいい人とは?
看護師という仕事にも、「向き・不向き」があります。
誰でも最初は未経験からスタートしますが、どうしても合わないタイプの人がいるのも事実です。
向いていないまま無理して働き続けると、心も身体も壊れてしまい、取り返しのつかないことになるケースも。
だからこそ、看護師にならない方がいい人の特徴を把握しておくことは、とても大切です。
看護師にならない方がいい人には、どのような特徴があるのでしょうか?
主な特徴が下記です。
- 体力に不安がある人
- コミュニケーションに自信がない人
- 勉強することが嫌いな人
- メンタルが弱い人
それぞれについて、詳しく見ていきましょう。
体力に不安がある人
看護師の仕事は、デスクワーク中心の仕事とは違い、1日中体を動かす場面が多いです。
病棟内を何度も行き来したり、入浴介助をしたり、ベッドから車椅子への移乗を手伝ったりと、まさに体力勝負です。
また、夜勤が入ることによって、生活リズムを崩す人もいます。
そうなると、当然疲労の蓄積も加速します。
体力に不安がある人にとって、看護師はキツい仕事だと言えるでしょう。
もともと持病がある人や、運動習慣が全くない人にとって、看護師の業務に飛び込むことは、かなりハードです。
もちろん体力は鍛えればついてきます。
とはいえ、ある程度体力に自信がないと、しんどい状況になりやすいです。
「身体に自信がないけど何とかなるかな」と思っている人ほど、慎重に判断しましょう。
コミュニケーションに自信がない人
看護師の仕事は、人との会話が非常に重要な職業です。
例えば、
- 患者さんの状態を聞き出す
- 医師に正確に報告する
- 家族と連携を取る
- 同僚と情報を共有する
などです。
上記をこなせないと業務に支障が出てしまいます。
「私は口下手だから…」という人でも、努力すればある程度はカバーできます。
ですが、苦手意識が強いと、人との会話自体が大きなストレス源になってしまいます。
例えば、病室で患者さんから「痛みがある」と言われたときに、具体的な部位や痛みの質をうまく聞き出せなければ、適切な処置ができません。
また、医師に報告する際に説明があいまいだった場合、指示ミスやトラブルにつながる可能性もあります。
チームで動く医療現場では、報連相(報告・連絡・相談)が徹底されていないと、他のスタッフにも迷惑をかけてしまいます。
結果として、「あの人は使えない」と陰で言われて、さらに自信を失ってしまう…
そんな悪循環に陥ることも。
コミュニケーションが苦手=ダメではありません。
話すことに大きな苦痛を感じるという人は、看護師にならない方がいいと言えるでしょう。
勉強することが嫌いな人
「看護師の資格を取ったらもう安泰」と思ってしまうのは、大変危険です。
看護師になってからが本当の勉強の始まりだと言われています。
医療の世界は日々進化しています。
新しい薬や治療法、ガイドラインの変更などが頻繁に起こるため、常に最新の知識をアップデートしていかなければなりません。
救急対応、感染管理、薬の知識など、現場で必要な知識は学校で学んだ内容の何倍にも膨らみます。
また、勉強会や研修が定期的に行われ、勤務後に残って参加しなければならないこともあります。
「めんどくさい」「もう勉強したくない」と感じる人であれば、看護師として働き続けるのは厳しいかもしれません。
医療ミスは命に直結します。
その責任の重さを考えると、知識不足で済まされることではないのです。
勉強が嫌いな人にとって、看護師の職場は「ずっとプレッシャーに感じる場所」になってしまいます。
勉強することへのモチベーションが低い人は、看護師にならない方がいいと言えるでしょう。
メンタルが弱い人
看護師は、精神的にタフであることが求められる職業です。
ただでさえ命を扱う現場なので、日々の業務には強いプレッシャーと緊張感がつきまといます。
例えば、
- 人間関係のストレス
- 長時間労働
- 患者さんや家族からの理不尽なクレーム
- 医師との関係性
など、精神的に疲弊する場面は山ほどあります。
また、真面目で責任感が強い人ほど、自分を責めてしまいがちです。
「自分のせいで患者さんが苦しんだのではないか」「もっと早く気づいていれば」と思いすぎると、精神が弱っていきます。
もし「自分はすぐに落ち込んでしまう」「ちょっとしたことで涙が出てしまう」という性格であれば、看護師として働くのは覚悟が必要です。
もちろん、職場によってはサポート体制が整っていたり、メンタルケアに力を入れているところもあります。
とはいえ、根本的にストレス耐性に不安がある場合は、看護師にならない方がいいかもしれません。
看護師にならなきゃよかったと思わないために意識すべきことは?
看護師はやりがいがある反面、ならなきゃよかったと後悔する人も多い…
そんな現実に不安を感じている方も多いのではないでしょうか?
実際はどうなのか、そして今後どうしていけばよいかについて、解説していきます。
- 看護師としてどんな意識を持てばいいのか?
- 自分に向いているかどうか判断するには?
- 働き方の選択肢は?
といったリアルな悩みに答えていきます。
あなたの理想と現実のギャップを少しでも埋めるヒントとして、参考にしてみてくださいね!
看護師は辞める人が多い職業であることは事実
まず受け止めておきたいのが、看護師は辞める人が多い職業であるという現実です。
特に新卒看護師の1年以内の離職率は全国的に10〜15%ほどとされています。
他の業種と比べても、高い傾向にあります。
理由としてよく挙げられるのが、ハードな仕事と精神的なストレスです。
具体的には、
- 命を預かる責任感に加え
- 先輩や上司との厳しい人間関係
- 夜勤による生活リズムの乱れ
- 理不尽な患者からのクレーム
など心身ともに消耗しやすい職場環境に置かれやすいのです。
とはいえ、辞める人が多いからといって、ネガティブに捉える必要はありません。
職場環境や看護師の仕事があなたに合う・合わないがあるからです。
看護師になりたいと思った理由は?
なんで看護師になりたいのか?
あなたの中でこの答えを持っているかどうかは、実はすごく大事なことです。
というのも、看護師の仕事は、どうしても辛い瞬間がつきまといます。
夜勤や緊急対応、患者さんや家族からの感情的な対応…
そんな時に自分の中での“軸”がないと、「何のためにこんなことしてるんだろう」と心が折れてしまうこともあるでしょう。
例えば、「資格が取れるから」「就職に困らないから」という理由だけで選んだ人は、想像以上の負担に心が追いつかなくなることが多いです。
- 祖母が入院したとき、看護師さんの対応に感動した
- 看護師さんの仕事を見て、人の役に立ちたいと強く思ったから
など心からの理由がある人は、挫折を乗り越える力が強い傾向にあります。
もちろん、最初から完璧な考えや思いがなくても大丈夫。
いざ苦しいときに「私はなぜこの道を選んだのか?」と立ち返れる理由があるだけで、メンタルの持ちようが大きく違ってきます。
看護師にならなきゃよかったと思わないためには、原点が大事。
なぜこの道を選んだかを思い出すことが、つらい時でも踏ん張る力になります!
病院以外での働き方とは?
「看護師=病院勤務」というイメージを持っていませんか?
実は、半分正解で半分は間違いです。
というのも、看護師資格を活かせるフィールドは病院に限らず、多岐に渡ります。
看護師という資格を軸にした様々な働き方の選択肢が存在しています。
例えば、企業で働く産業看護師なら、社員の健康管理や面談対応が主な業務で、夜勤もなく生活リズムも安定します。
また、保育園看護師だと、子どもたちのケガや体調管理が中心なので、病棟のような緊迫した空気はなく、優しい雰囲気で働けるのが魅力です。
さらに、医療機器メーカーで看護師の知識を活かして営業や研修を行ったり、治験コーディネーターとして医療現場と製薬会社をつなぐ役割を担うケースもあります。
現場にこだわらなくても、社会で役立つスキルを発揮できる方法は必ずあります。
「自分にはどんな働き方が合っているか?」を知るだけでも、看護師資格の貴重さ感じられるようになるはずです。
看護師にならない方がいいと言われる理由の総まとめ
看護師にならない方がいいと言われることに関して、振り返っておきましょう。
- 看護師にならない方がいいと言われる理由の一つは、仕事内容が過酷すぎるから
- 給料と業務量が見合わないという感じている人も多い
- 女性中心の職場のため、人間関係が難しい場合も多い
- 看護師は夜勤があるため生活リズムが崩れ、体調不良を起こしやすい
- 新人の看護師が辞めやすい背景には、ハードな勤務とメンタル消耗がある
- 優しい人が・頑張りすぎる人ほど燃え尽きてしまう
- 命を預かる仕事である以上、精神的なプレッシャーが大きい
- 体力に不安を抱えているのであれば、看護師にならない方がいいと言われることも多い
- コミュニケーションが苦手な人は、報連相に支障をきたしミスにつながる
- 勉強が嫌いな人は、現場についていけず限界を感じやすい
- メンタルが弱い人は、看護師という職業で心が病む危険性が高い
- 看護師になって後悔したという声の多くは「自分に合わない環境」を理由にしている
- 病院以外にも企業や保育園など多様な働き方が存在することを知るべき
- 看護師になりたいと思った理由を明確にしておくことがモチベーション維持につながる
- 看護師を辞めた人が幸せになったという話もあり、選び直しも悪いことではない
- 看護師にならない方がいいと思っても、情報を集めてから判断することが大切
「看護師にならない方がいい」と言われる理由が、少しずつ見えてきたのではないでしょうか。
確かに、体力的にも精神的にも負担が大きく、辞める人が多い職業であることは事実です。
ですが、看護師という職業がやりがいがあり、重要度の高い仕事だからとも言えます。
人の命に関わる以上、プレッシャーがあるのは当然ですし、だからこそ得られる達成感ややりがいも大きいのです。
看護師にならない方がいいかなと不安を感じている人には、正直おすすめしません。
しかし、自分自身の気持ちとしっかり向き合って、看護師になりたいと思えているのならば、非常に良い選択です。
食いっぱぐれることは、そうそうない職業ですから(^^)
病院以外にも様々な働き方があることを知っておけば、「ならなきゃよかった」という後悔も減ることでしょう。
大事なのは、現実をきちんと理解したうえで、自分の進む道を選ぶことです!